風のいちにち

<<森と風、カフェとがっこう  | ホーム | おうちへ、おかえり>>

スポンサーサイト 

--.--.--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

たちばなし 

2011.07.26


     歯医者さんからトコトコ歩いての帰り道、数か月ぶりにひとりのご近所さんに出くわした。

     十年に一度くらい、初対面から互いにすっと打ち解けられる人に出会うラッキーが

     あるけれど、その女性も私がこの町に来て半年もたたない頃、初めて出会ったときに

     ふわっとした笑顔を私に向けて、するっと自然な優しい言葉をかけてくださった人である。

     彼女が沿岸の宮古市出身だということは、以前から聞いていた。

     3月11日以降、とても気になってはいたのだけれど、べったりした付き合いでもなかったので

     電話することも、わざわざ彼女の家におしかけてドアをノックすることも遠慮していた。


110726
 

     
     ふたりともサンダル履き、エプロン姿で道端に立ったままで

     今年も畑やってるのー? 何つくってるのー?  今年はなんとなく調子がよくなくて

     ひきこもってばかりでねぇー、いやいや私だって同じですよー、あんなことがあったんだから

     当然ですよーなんて言葉をかわしているうちに、

     宮古にあるご実家は高台にあるので無事だったこと

     生まれ育った地域は海のすぐそばで壊滅してしまったこと

     お友達が何人も亡くなってしまったこと

     陸前高田の姪っ子さんは31歳で数年前にご主人を亡くしていたのだけれど

     津波でお亡くなりになってご遺体は発見されてお葬式にも行ってきたこと

     その方のご両親はいまだに見つからないこと

     学校にいてひとり助かった小学生のお子さんは岩手内陸の親戚のお宅にひきとられたこと

     6月ごろまではどうしようもない気持ちだったけれど、今は少し持ち直したこと

     
     そんなことを声のトーンを少しあげて、目に涙をためながらぽつりぽつりと

     気丈に話してくださった。 それを聞いていた私はボロボロと涙が止まらなくなり、

     ただただ彼女の肩と背中をさすることだけしかできなかった。

     こんな辛い想いを抱えた方たちが今、たくさんたくさん東北に、そして故郷を離れ日本中の

     どこかの町にちりじりばらばらになって、ただ普通の日々をとりもどすために生きている。

     
     そして私はそんな方たちと再び話をすることがあったとしても、きっと今と変わらず

     何も気の利いた事など言えもせず、気丈なご本人を前に情けなくも涙を流して

     もし許されるなら肩とか背中をさすってあげることしか、できないのだと思っている。

 
        

スポンサーサイト

コメント

 

女性のたちばなしは、風情がありますよね!
それに引き替え、男性のたちばなしは胡散臭いです。

 

白い象さん

むむ?
「儲かってまっか~?」とかが主流なのですか??


コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://nonomon15.blog71.fc2.com/tb.php/633-01f45225

 | HOME | 

お天気、いいかなぁ
最近の記事
カテゴリ
カレンダー
10 | 2017/11 | 12
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 - -
月別アーカイブ
最新コメント
Access
QRコード
QRコード
Ranking
Profile

nonomon

Author:nonomon
愛媛生まれ
大阪→サンフランシスコ→東京→札幌→東京、2008年秋から岩手→2013年春、第二の故郷へ

リンク
ブログ内検索
これまでのいちにち
www.flickr.com
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。