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選ぶということ - 2 

2012.09.08

     
     知ってる人はずっと前から知っている、知らない人は全く知らないだろう火山学者の

     早川先生の放射能汚染地図(七訂版 → コチラ )がじわじわと広まっているようだ。

      私は最初家のプリンターでA3版に印刷していたのだけれど、もう少しきれいなプリントを

     見たくて8月にセブンイレブンで表面裏面それぞれ100円でネットプリントをした。
 
     (オリジナルA2版を入手したい方は、上記リンクをご参照ください)



      120907

     
     
     このマップをご覧になる場合は、一緒に先生ご自身による解説 (8月23日参議院議員

     会館院内集会)の書き出し(→ コチラ ) を読んでいただくことを強くお勧めします。

      (ちなみに私はプリントアウトしてじっくり読みました。) 


     さて、今回の七訂版で個人的に興味深いのは表面よりもむしろ今回初めてUPされた裏面

     なのだけれど、まずは表の地図を初めて見る方も多いと思うので注意していただきたいと

     思う点を以下に。


     【 表面について 】

     色塗りのされていない場所はまるで汚染がないかのような印象を持つかもしれないけれど

     例えば福島第一原子力発電所から約300キロ、地図上の岩手県盛岡市のさらに

     北にある私の住む山間の町でも汚染されていることは、何度もこのブログでも

     書いている。 色塗りがないからといって今回の原発事故による放射性物質の降下が

     なかったわけではない点に注意。

     【裏面について】

     個人的に大切だと思うのは上から3番目の 「焼却灰のセシウム」。 これは説明に

     書かれてあるとおり環境省の2011年8月29日付発表、昨年時点のデータである点。

     つまり瓦礫拡散云々が問題になる以前の、各自治体の一般廃棄物(家庭からでるゴミが主)を

     燃やした際のデータであること。 特に関東エリアに関してそれが何を意味しているか、

     ひとりひとりよく考える必要があると思う。


     【全般について】

     小さな文字の説明書きも、きちんと目を通すことが重要。

     この地図に限らずどの情報についても言えることだけれど、それがいつ時点のデータか

     そして単位は何かに留意すること。
 
     前述したとおり色の塗られていない比較的低い線量のエリア(私の住む町など)、

     つまり 「(空間線量が)0.15μSv/h以下の場所の土壌が汚染されているかどうかは

     ガイガーカウンタやシンチレータで調べるだけでは判断がつかない。LB2045などの

     スペクトロメータによって γ線のスペクトルを確認するまでは、汚染の有無はわからない。」 

     (「東京大学のセシウム汚染」-続研究日誌モンテカルロより ) だから、ある特定エリア

     の詳細情報を知りたい場合は、 今や空間線量よりも土壌検査の結果がどうであるかを

     ネットや実測によって自ら調べることが大切。

     国や各自治体の公的な調査結果もあるし、お忙しいなかボランティアで身銭を切って

     空間線量、土壌、食品の計測をされている方たち、市民測定所は東日本ことに関東エリア

     にはたくさん存在する。 が、特に食品に関しては注意が必要だ。 測定に不慣れであったり

     知識や経験が不十分なゆえに誤情報が出回る場合も見受けられる。その取り扱いと判断は慎重に。



20120907-2


     
     消費者としてもし気をつけたいと思うなら、基本的なこと例えば 「セシウム不検出(ND)

     =ゼロ ではない」  ことや、 検出限界値は測定器などによってバラバラであることを理解した上で

     どのレベルまでなら (特に小さなお子さんをお持ちの方や若い女性の場合) 許容できるか

     自分なりの基準を持つことは大切なことではないかと思う。

     「いやいや毎日いそがしくてそんなの考えてられないし、国 (あるいは自治体が、生産者が) 

     やってくれてるだろうからそれを信じる」 という考え方もあって当然だ。

     ただ現実としてスーパーの店頭で基準値の数倍もの野菜が売られていた、今も

     売られている(それを見つけるのはいつも民間だ)という事実もあり、私が以前実際に

     卸業者や生産自治体の担当者の方と直接お話をさせていただいた際、
 
     とても残念だけれど、「あの方たちと自分たちとは守ろうとしているものが違う」 ことをとても

     強く知らしめられて、ショックと憤りを感じたことも、ここに記しておく。


     最近では検査をして「不検出です」と唱っている生産者さんや販売業者さんが

     がほんのすこぉしずつだけれども増えている。 それは汚染を気にする消費者が

     疎まれるのを覚悟でリクエストを出し続け、それに応えようとする意識の高い方たちが

     増えてきたからだと思う。

     けれども残念なことに検出限界値がいくらなのか、公表されていない場合もある。 

     せっかく膨大な手間とコストをかけて調べていただいた結果はできる限り情報開示

     していただいて 震災前からそうしていたように、例えばパッケージの裏の原材料や

     産地、添加物を確認して買うか買わないかの選択してきたように、自分の意志で

     選択をしたいと願う。 同時に私は長らく商品を販売する側、それを生産する方たちと

     近い位置で仕事をしてきたので、現在の状況、真摯に消費者のニーズに応えようと

     する生産者、販売者の方の金銭的な負担は勿論、精神的な疲労や御苦労を思うと

     本当に胸が痛む。 そもそも多量にしろ少量にしろ放射能をまき散らしたのは誰

     なのか。 永田町におられる方は、「責任はとる」と仰るが、現在までに誰かおひとりでも

     真摯に謝罪し責任をとった方はおられるのか。 警察の捜査が入ったなどという話は

     聞いたこともない。そのことに目を向けさせず、「風評」という便利なフレーズを巷に

     溢れさせ、簡単な「消費者VS生産者」という被害者同士の対立の構図を演出し続け

     ようとする現在の社会の流れは私はあきらかにおかしいと思う。


      と、すっかり話はそれてしまったが、これだけ(たまには)鼻息荒く意見を述べても

     それでも自分は誰からのどんな情報でも盲信はしないことを心にいつも留めている。
 
     もっと言ってしまえば自分のことだって100%なんて信じていない。いつも「もしかして

     自分は間違っているんじゃないか」という畏れを抱いている小心者だ。 けれど

     代わりの誰かに 「安全です」 「危険です」 の判断をしてほしいとは思っていないし、

     ここ1年近くの試行錯誤というか混乱の中から自分なりにようやくたどりついた

     ささやかな自分なりの結論は、それが危険か安全かは今はまだ 「わからない」。

     だからよけいに、しんどくてもいろいろな情報を知った上で最終的な判断は自ら下したい。        


     
        「放射能対策に正解はありません。 放射能とどう折り合いをつけるかは、個人の事情

         によって異なります。住むのか住まないのか、食べるのか食べないのか、買うか

         買わないか、すべて自分で勉強して自分で決めることです。 みなさんにお渡しする

         この地図から、現在の科学的知見を受け取って、みなさんはその先をやって下さい。

         この放射能リスクにどう対応してゆくか考えるのは、みなさんそれぞれのお仕事です。

         大勢の方々に、この地図を利用してもらえたらうれしいです。」 

                                    by  早川先生 @参議院議員会館 
 



20120907-4



     さて、私がいまとても気になっているのは、全国の汚染程度の低いもしくは殆どないエリアの土

     (特に庭や畑)が、持ち主の気づかぬまま高い汚染の土と混ざってしまうのではないかということだ。

     例えば民間の検査に出した結果、うちの畑の土壌検査(3箇所)は、Cs134とCs137合算で

     12.2~44Bq/kg 。 (ゲルマニウム半導体スペクトロメトリ 定量下限値1.1Bq/kg) 
 
     これは今回の事故で汚染された東日本の土壌としてはとても低い部類に入ると思う。

     (ちなみに町が6月に発表した町内希望者の無料簡易測定6箇所の結果は、

      5.5~ 48.7Bq/kg。 Nalシンチレーションスペクトロメータ定量下限値10Bq/kg)


     それに対して農林水産省による腐葉土や堆肥の暫定基準値は400Bq/kgであり、

     低汚染であるうちの畑のセシウム濃度よりもはるかに高い。 つまり産地を選択せずに

     ホームセンター等で販売されている腐葉土や堆肥を購入し汚染の低い庭や畑に撒いて

     しまうと知らぬ間に汚染が高くなる可能性があるということだ。 実は先日北海道の

     とある町の駅前にあるショップのデジタルチラシを見ていた私は、園芸用として販売

     されている土の販売元が北関東であることに気がついた。その会社のWEBを確認したところ

     「国の暫定基準値より低い350Bq/kg以下を当社独自基準といたします」と述べてあった。
 
     国の基準値以下なのだからこの会社には何の罪もない。 ただ私が検索していた北海道の

     地域の土壌は、ざっと見たところ汚染があったとしてもチェルノブイリ時代の降下でCs137が

     少し残るくらいの土壌であったので、その地域の人たちが注意して選択しないまま堆肥や

     腐葉土を自分の庭や畑に混ぜてしまった場合、汚染濃度が高まる可能性がある。

     これから毎年なにも知らずに自分の土地より汚染の高いものを撒き続けてしまった場合

     一体どうなるんだろう。
     

     私たちはこの春、ホームセンターで販売している腐葉土や堆肥の産地を確認して

     それらを購入しなかった。 また町の畜産公社から無償でいただける堆肥もその結果が

     40Bq/kgと他エリアと比べて全く高いものではなかったが、それより薄い畑の土壌に

     混ざることを避けたかったので私たちは利用しなかった。 周りの方たちは気にとめず

     例年通り使用していた。 (私たち夫婦は、それぞれの個人の選択に関してごく近しい

     身内でない限りそして他者の場合は意見を求められない限り、一切の口をはさむことは

     しないとある時点で決めている。) 

     たとえ国の定める基準値の範囲内であったとしても、そして少量で 「問題ない」とされても

     その点をわかっていてあえて自分の畑や庭の土の放射能汚染を高くしたいと思うひとは

     いるだろうか。 多少なりとも自分の手で土をさわり野菜を育てた経験がある方なら、

     いやそんな経験がなくても、そして子供がいるいないなど関係なく、土をより健全な状態で

     次の世代に引き継ぎたいと願うのが自然な気持ちではないだろうか。



20120907-3


          
     日常生活で気になることは他にもある。 長くなってしまったが、そしてめんどくさがりやの

     自分はもうほんとにやめてしまいたいのだけれど、今考えているあれもこれもいずれは忘れて

     しまうだろう。(実際忘れてしまいたいのだから。) だからよけいに、記録の意味も込めて

     この際書いてしまおうと思う。



     
     以前ここで書いたように、民間のなるべく低い検出限界の検査に出して「不検出」の結果に

     ほっとひと安心 していた水道水だが、最近公表された大変精密な国の検査結果をみると、

     やはり東日本のある地域ではごく微量でもセシウムが検出され続けている。
 
     (国のデータへのリンクとその測定方法などのとても丁寧な説明は→ コチラ のブログ)

     これについては自分の家の水道水を民間でそこまで精密に再検査するのは困難との判断

     から、我が家では今まで10のうち10気にしていなかったものを少しだけ気にする、のレベルに

     した。 気にするか気にしないか、気にするならばどの程度か。判断は人それぞれ。


     もうひとつ。 私が住む町が6月に発表した薪やペレットストーブの焼却灰の検査結果

     (検体数6・希望者のみ)は 618~1,417Bq/Kg。 その処理方法について広報では

     「焼却灰の安全基準値は8,000Bq/kg以内ですが、肥料として畑にまく場合は400Bq/kg

     を超えた灰は使用できませんので、燃えるごみとして出してください」 とあるけれど

     濃縮した焼却灰をさらに燃やしてしまったらどうなるのか。

     そもそもの話。 国は8,000Bq/kgが安全基準というけれど、今年4月20日付の朝日新聞

     新潟版には東電が柏崎刈羽原発でCs 「100Bq/kg」 以下のゴミをドラム缶に入れるという

     低レベル放射性廃棄物の管理方法を公開、という記事があったし (記事はすでに

     削除されているので→ こちらのブログ を参照のこと) まだまだよくわからないことが

     ありすぎる。

     環境省廃棄物・リサイクル対策部は 「100Bq/kgと8,000Bq/kgの二つの基準の

     違いについて」 (→ PDF版 コチラ ) をネットに出しているが最近どうもメモリ不足が

     顕著な自分の脳がミシミシ音をたてはじめていまひとつ理解不足なんである。
     
    
     このように多くの情報に相変わらずとまどいと混乱の日々であるけれど、我が家としては

     現在の周辺環境や状況を総合的に判断して楽観視はせず、かといって悲観的にもなりすぎず

     淡々と選択することを続けながら日々を暮らしていきたいと思っております。

     (ふーーー長かった。ここまでおつきあいくださったみなさま、ほんとうにお疲れさまでした。)
        
       


120907-1 

     

     畑では、ひまわりが静かに夏を見送っています。




     

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コメント

 

おつかれさまです。

園子温の新作映画『希望の国』の公開前に発売された本『希望の国』を読み始めました。どんな映画になっていても、商業映画でこのタイミングで原発事故を真正面からテーマにしたというだけで拍手を送りたいと思っています。そしてこの映画は必ず日本で再び原発事故を考えるトリガーになるでしょう。そこからまたなにか始まることに期待しています。少し前までは市民運動に意味を見出せなかったのですが、最近、草の根にすごい力があると見なおすことがあったので、そんな気持ちになってます。

 

kikuzoさん

あいかわらず亀リプでごめんなさい。汗

「希望の国」のオフィシャルサイトを見て、 http://www.kibounokuni.jp/index.html
園子温監督の以下の言葉が心に残りました。

「今回はセリフもシーンも、なるべく想像力で書くことはやめて、取材した通りに入れようと
思ったんです。勝手に書いた嘘は薄っぺらいだけですからね。空想して書くことは
控えようと思いました。」

「製作的には、資金調達がこれまで以上に大変でした。やはり、いまの日本ではこういった
映画を作ることが困難なんだなと。みんなでがんばって前へ進もうという作品なら違ったのかも
しれませんが、暗部を見せるものにはみんな尻込みする。ただ、そうでなければやる意味がない
ですからね。」

是非観てみたい映画ですが、東北では上映されないようです。本をさがしてみます。

実は今春公開された森達也監督の「311」を観たかったのですが、

『映画が観る者に問いかけるのは、「他人の不幸で飯を食う」というメディアが根源的に抱える矛盾だ。』  http://news.nicovideo.jp/watch/nw207306
とあるとおり、この映画には観る人間が(ことに被災地においては)不快になる要素が多々ある
ようなのでやはり東北で上映するのは厳しかったようです。

震災は終わったことではなく、現在進行形のこと。
被災の痕跡が眼に見えない場所では(東北だけでなく)終わったことのように錯覚して
しまいそうですが、園監督がおっしゃるとおり「原発には復興のめどがたたないという問題がある」。

私個人としては、感動を演出されたものでなく、楽しくはないだろうけれども
(イエもちろん笑える映画も観たいですが、ストレス発散のために。笑)
自分の感じるところの良質な映画や書物を選んでいければと思っています。

情報、ありがとうございました。

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Author:nonomon
愛媛生まれ
大阪→サンフランシスコ→東京→札幌→東京、2008年秋から岩手→2013年春、第二の故郷へ

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